国交省だけでなく、鳥取県や米子市の委託業務で「現場クラウドOne」をご利用されていますが、利用前から変わったことを教えてください。
【国⇒県⇒市へと波及】
国交省発注の委託業務では、ASPは原則利用ですが、鳥取県発注の委託業務でのASP利用は受注者側の希望で導入を協議のうえ決定します。
そしてそれは、設計変更の対象になります。(2023.11.20時点)
発注者にとっても一般的になっているようで、ASP利用は念のため確認する、というような程度で、弊社で多くの業務でASPを導入しています。
ただ、他の発注機関では、発注者にASPの活用提案をしても承諾をいただけなかったケースもありました。
知らないことで、導入ハードルが高いとイメージを持たれている方もいらっしゃいます。
ASPを導入するだけで書類の簡素化に繋がると伝え、メリットをご理解いただけると、米子市の案件のようにASPの導入に至ります。
【小さな負荷の蓄積で業務を圧迫⇒大幅削減と時間短縮】
設計作業は測量作業と比べると比較的、事務所仕事が多くなりますが、それでも紙媒体での管理になると、自分の席を離れてプリントアウトし、それを社内で回覧の後、発注者事務所に持っていくという作業や時間が書類毎に伴います。
そういったひとつひとつの作業時間が、抱えている現場の数によって比例して積み重なっていくと、結構な作業負荷になっていきます。
現場が増えれば管理するファイルも増え、担当している全ての現場が紙媒体だと、確認に多くの時間を要します。
ASP上であれば、時間的にも作業的にも負荷が大幅に減少します。
極端に言えばパソコンの画面上で担当している各現場全部の承認済み文書、提出書類などの回覧状況等を全て確認でき、現場が増えても重なっても管理が非常に楽だと感じます。
【納品前に慌てる。⇒未返却の書類の一括管理が容易】
紙でもメールでも同様ですが、業務が重なると一番難しくなるのは、提出した書類がきちんと返ってきているかどうかという確認です。
どの業界にも共通してあることだと思いますが、送信済みメールに対し、返信があったかまだかを毎日確認するわけにもいきません。ある程度感覚的に把握する形になってしまいます。ただそれが重なると、どこかのタイミングでしっかり確認しないと、メールが埋もれたまま放置されてたりすることが双方にあります。
それが納品前になって大慌てしてしまうことがありました。
ASPでは複数現場の大量の書類が一括管理できるので、そういったケースがなくなりました。
【ぶ厚く重いファイルを持ち歩く⇒タブレットで早いリアクション】
設計の場合は、打ち合わせから設計結果を報告するまでに時間が空いてしまった場合、記憶が曖昧になったりすることがあります。
そのような時に確認書類が必要になるのですが、発注者の方でその資料がすぐ出てこない場合もあるため、常に打ち合わせ資料や関係する書類が綴られたぶ厚く・重いファイルを打ち合わせの度に持ち歩いていました。
また、私が現場に出ている時に、発注者から連絡があり、手元に資料がなければ正確な回答ができないことがあります。
別件の内容で現場に行っているので、手元に資料が何もない時は、返答が帰社後になり、帰社が遅い場合は、当日に返事できないこともあります。
ASPにしたことで、常に持ち歩いているタブレットで、ASP上でやりとりした書類がどの現場でも確認できるので、素早いリアクションができるようになりました。
【決裁者の帰社待ち⇒外出中でも迅速な回覧】
業務内容や書類によっては、測量の担当者の決裁が必要な場合があります。
紙であれば、会社に本人がいないとその書類の決裁は進まず、連絡しても、「会社に帰ってから内容を確認して、押印します。」となります。会社に戻るのを待たなければいけません。
ASPであれば「回覧したから確認お願いします。」と現場に出ている測量担当に伝えて、出先から回覧してもらう。ということが可能です。
パソコン操作が苦手、操作できない状況の時のために、代理承認の仕組みもあると把握していますが、弊社ではできるだけ本人の承諾で回覧するという形をとっています。
代理承認を使うときは、病欠などの特別な事情の場合のみです。
【大容量データ共有が手間⇒ASP内で簡単にデータの受け渡しと情報共有】
測量では、図面や写真以外にも地元の方の説明資料用の航空写真や点群データなども発注者に提出しています。
Oneのメッセージ機能を使うと簡単に大容量データが共有できるので、受発注者双方とも非常に楽になります。
また、掲示板も一斉連絡に非常に便利なので、発注者からのお知らせや注意喚起などで活用されています。
【ASPに対する感想】
ASPを知ってしまった今は、紙には戻りたくない。と言うより、もはや戻れないですね。